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教会における信仰継承について・その9


総主事コラム#9 執筆担当:吉澤慎也(総主事)


教会で「次世代育成」という言葉をよく耳にするようになった。この言葉は「次世代」をどう捉えるかでいくつかの意味合いがあるが、ここではシンプルに次の世代を担う若者たちを育てていくという意味で使用するものとする。


教会における次世代育成は、今や、日本のキリスト教会全体における重大かつ喫緊の課題となっている。昨年の第七回日本伝道会議(JCE7)においても、これまで以上に次世代育成ということが取り上げられていたように感じた。


教会の次世代育成に関連して、元JEA青年委員会委員長の西村敬憲先生は次のように述べている。「この現状を打破して青年宣教が進むためにはまず、クリスチャンホーム出身の中高生が受洗後も生き生きと教会につながり続けて、青年へと成長していくことがカギになるのである。そのために、まず中高生を大切にする教会形成をみんなで取り組むことが必要である。」(『再生へのリ・ビジョン』p.140)


「まず中高生を大切にする教会形成をみんなで取り組む」というのは、実に大胆かつ興味深い提言である。実際のところ、一つの教会がみんなで次世代育成の意識を共有することは、とても難しいことだと思わされている。多くの教会は、高齢者や年配の方々が大多数を占めるのが現状だ。彼らを中心とした教会形成がなされることは、ある意味必然的なことだろう。そのようなリアリティの下で、あまり数が多いとは言えない(あるいは一人もいない)若者たちを意識し、彼らを大切にするというのは、とても難しいチャレンジのように思える。そのためには、教会全体で大胆な意識改革をしていく必要があるかもしれない。当然、時間も要するだろう。相当の覚悟や熱意、そして信念をもって取り組まなければならないことのように思う。しかし、そのチャレンジの先にこそ、きっと教会の明日があると期待したい。

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