証＃91 執筆担当：木下泉（事務宣教局担当主事）
私は事務宣教局に所属しながら、一部関東地区卒業生会の働きに関わらせていただいています。その中で、新たな気づきが与えられました。それは、卒業生の存在そのものが学生宣教の大きな力になるということです。
卒業後は多くの場合、学生時代よりもさらに難しい現実に直面します。その中で、学生時代、KGKで学んだことが理想論のように感じ、この現実で、そのようなことは到底実践できないという思いになることがあるでしょう。
しかし、そのような現実の中でも、遣わされた地で福音に生き続ける卒業生が確かにいます。
ミッションスクールとは言いながらも、100%義務感で聞いている生徒に対し、今できる最善の準備をして毎朝の礼拝メッセージをする学校の先生。
命の危険も感じながらも、子どもたちが安全に育つための第一歩をサポートするために奮闘する児童相談所の職員。
日々膨大な仕事量、そして数字や社内政治のプレッシャーを感じながらもキリスト者として誠実に働く会社員。
目の前の忙しさに振り回されながらも、愛をもって子どもと接するお父さんお母さん。
そして、そのような日々を送りながら、CS教師や役員として、地域教会にも重荷を持って仕えていく。そこにはどうせこんなもんだろうと諦めて妥協したり、教会とそれ以外の生活を切り分けたりすることのない卒業生の姿があります。
このように、葛藤や難しさを覚えながらも、この現実において、御言葉を土台として歩もうとする卒業生がいるのです。
実際学生たちがそのような卒業生と話す機会は少ないでしょう。しかしそれでも卒業生の存在そのものが学生宣教の大きな力になると言うことができます。なぜなら、その卒業生の姿を通して、私たち主事が励まされるからです。
私たち主事が遣わされた地で福音に生きる卒業生に触れることによって、学生時代に学んだこと、経験したこと、
そこで与えられた交わりがその後の人生の確かな糧となることを確認し続けることができます。
その卒業生たちとの交わりがあるからこそ、私たち主事は確信を持って、遣わされた地で福音に生きることを学生たちに励まし続けることができるのです。
そんな、遣わされた地で福音に生きる卒業生の歩みのために祈り続けるものでありたいと願っています。