ショートメッセージ#1 執筆担当:塚本良樹(副総主事・全国卒業生会責任主事)
「この工事は大きく、また範囲は広い。私たちは城壁の上で互いに遠く離れ離れになっている。どこででも、角笛が鳴るのを聞いたら、私たちのところに集まって来なさい。私たちの神が私たちのために戦ってくださるのだ。」
ネヘミヤ記4:19-20(新改訳2017)
※新共同・協会共同では4:13-14
旧約聖書のネヘミヤ記に描かれているのは、バビロン捕囚から帰ってきた後、かつてバビロンに破壊されたエルサレムの城壁を再建するというストーリーです。
ネヘミヤ記の3章には、広大な城壁を再建するなかで、それぞれが担当する城壁が描かれています。
4章前半には城壁の再建を妨げようとする敵の姿が描かれており、緊張感があるなかで、それでもそれぞれが託された責任を果たそうとしている人々の姿が描かれています。
そのような人々に、ネヘミヤは語ったのが冒頭の御言葉です。
この箇所を読むとき、私の心に浮かぶのは、KGKの学生・卒業生たちの姿です。
それぞれが遣わされた地で、広大に広がった各地で、遠く離れ離れになりながら、だからこそ大きく、範囲の広い工事、つまり神の国建設をしている一人ひとりの姿と重なるのです。
ネヘミヤの時代の民と同じく、そこには困難があり、戦いがあります。
時に、担っている責任が、具体的にどのように神の国建設につながっているのか、分からなくなることもあるでしょう。
日々の働きをこなすだけで精一杯になったり、体力的にも精神的にも霊的にも余裕がなくなったりすることがあるかもしれません。
そのようなとき、「つのぶえ」の音が聞こえるのです。
ここに集まれ。
困難を覚えている人がいる。
思い出そう。
神は私たちとともにおられる。
神が私たちのために戦ってくださる。
KGKとは、それぞれが遣わされた地で経験している困難や葛藤、喜びを分かち合い、使命を思い起こす交わりです。
そして、それは卒業後も続きます。
卒業後の交わりは学生時代ほど頻度は高くないでしょう。
でも、そこに困難を覚える人がいるならば、もう一度集まり、あるいは連絡し、祈りによって共にたたかうのです。
そのような交わりが与えられているからこそ、私たちは今日も遣わされた地で福音に生きることを、キリストの教会を建て上げることを諦めることなく歩むことができるのです。