良書紹介#18 執筆担当:塚本良樹(副総主事・卒業生宣教局長)
ポール・マーシャル『わが故郷、天にあらず―この世で創造的に生きる』(いのちのことば社、2004年)
著者のマーシャルは言います。
「死後は天国に行くのだから地球のことはどうでもいいという考えも、非聖書的だ。聖書は『新天新地』があることを教えている。私たちの最終目的地は、地上だ。贖われ、変えられた新しい地上なのだ。」(P.20)
彼はこのような前提から始め、学問、仕事、休息、遊び(!)、政治、自然、芸術、テクノロジーのそれぞれについて、聖書からどのような意味があるのかということを論じています。
筆者も認めていますが、本書に特徴的なのは「良きものとしての世界」の強調です。もちろん、この世界は堕落しています。本書においても偶像や迫害の問題について興味深い記述があります。しかし、それでもこの世界は創造のときの「良さ」は残っている、だから抵抗すべきときには抵抗し、批判すべきときには批判する必要はあるが、悲観的になりすぎるのではなく、この世界のあり方を評価し、積極的に世界の回復に参与していく必要もあるのではないかと論じます。
タイトルからして挑戦的で、思わず手に取ってしまう本ですが、まさに「目からウロコ」の内容です!
※G&M財団のオーディオブックにもなっています。